平成30年12月14日~12月17日に中国江蘇省江蘇大学キャンパスにおいて大学生創成工学デザイン競技会(CEDC:Creative Engineering Design Competition)、創成教育国際会議(ICIARE:International Conference Innovative Application Research and Education)が開催され、200名を超える参加者で盛大に開催されました。山口大学からは、創成科学研究科の博士前期課程1年生を中心とした12名がCEDCに参加し、講義や研究で製作した社会問題を解決するための作品についてデモンストレーションと成果発表を行い、中国や韓国の学生と競い合いました。

集合写真

IoT(モノのインターネット)の急速な発展に伴い、新しいアイデア製品が様々な社会問題を改善しています。一方でこれまでの専門分野の知識だけでは、製品開発は難しく、機械・電気・情報さらには医学・農学・芸術・経済学などの複合的な知識が必要とされてきています。山口大学では、この現状に対応できる人材を育成するために多様な専門分野を習得した大学院生の混成チームによるアクティブラーニングを行うとこで実現しようと考えており、CEDCとICIAREでは機械・電気・知能学生の混成チームからなるアクティブラーニングを行い、その成果や融合分野の先端研究の情報交換を行う重要な会議になっています。

CEDCは3~5名の学生で構成する47チームが、チームごとに実社会の問題を解決する作品を出展し、ポスターと口頭で、審査教員や参加者に英語でアピールを行い、各国の審査教員によるレビューを経て、最終的に口頭発表と自作の作品を用いたデモンストレーションが行われました。本学の学生は、審査教員のレビューを受けながら作品と発表のクオリティ向上に最終まで挑み続けた結果、CEDCゴールド賞(上位6%)、ブロンズ賞などの栄誉に輝きました。

CEDCデモンストレーション風景(1)
山口大学の作品で心音をAIに聞かせ、心音状態から適切な運動量を判断するシステムを紹介している

CEDCデモンストレーション風景(2)

作品例(1) 災害救助ロボット

作品例(2) 歩行サポート用つま先持ち上げ装置

また、ICIAREでは、活発な議論が行われる注目度の高い研究成果が多数あり、本学の博士後期課程学生がICIARE優秀論文賞を受賞しました。なお、本会議で発表された論文のうち優秀なものは国際論文誌International Journal of Engineering Innovation and ManagementのSelected Paper: Proceedings of iciare2018として発行されます。

ICIAREでの研究発表の様子 マイクロメカトロニクス研究室博士後期課程3年生の朱くん(論文賞受賞)

CEDC Gold Award(上位6%)を受賞したマイクロメカトロニクス研究室の布川君(写真中央)

レセプションでは、工学を通じて社会の問題解決を図るという志に集った学生や教員が、お互いの多様な背景を尊重し、共に発展を目指す親睦の輪が築かれました。

 

機械工学系大学院生等の受賞者リスト

CEDC2018

  • 金賞 (上位6%)
    • Exercise Management System for high risk heat disease patients (高リスク心臓病患者のための運動マネジメントシステム):創成科学研究科修士1年作品
      布川拓海(機械系),佐々木敬彬(知能情報系),XIE HUAZE(電気電子系)
  • 銅賞
    • VR 太極拳 -Physical Trainer TaiJiQuan-(太極拳とVRによる健康増進):創成科学研究科修士1年作品
      大宮 弘之(機械系),厚母 亜実(知能情報系)
    • 上肢障害者用の食事支援ロボット:創成科学研究科修士1年作品
      藤田 晃司(機械系),向山 陽貴(機械系),楢崎 裕史(電気電子系),平田 宗一郎(知能情報系)

ICIARE2018

・Best Paper Award

  • Muscle Training Assistant System for Elbow Flexor Rehabilitation,徐 涛金 (創成科学研究科博士後期課程3年), 江鐘偉, 森田 実,丁 鐘燁 (創成科学研究科博士前期課程2年)

 

次回は2019年12月に韓国群山大学を中心に開催される予定です。また、2019年8月には山口大学主催で創成工学夏の学校(SP!ED:Summer Program for Innovative Engineering Design)が開催されます。マイクロメカトロニクス研究室は山口大学とともに、SP!ED、CEDC、ICIAREの取り組みを通じ、国際的にまた、専門分野の垣根を越えて活躍できる学生の育成と創成工学研究・教育を強力に推進していきます。